webコンサルティング, webディレクション, webプランニング

freeform design

01. Webプロデューサとは?Webディレクターとは?

 

(肩書きなんてどーでもいい、と言ってる割には、また書いてますが…)

Webプロデューサという肩書きの人は結構いますけど、彼等は、実際は何をやっているのでしょうか?んー…、正直言ってよく分かりません。

ただ、私なりの解釈としては、私は、本来「プロデュース」というのは、「無から有を生む」行為だと認識しています。

だから、

  • 企業から声が掛かってオリエンに呼ばれて行って、クライアントの希望する予算、希望する納期内に、然るべきWebサイトを構築して納品する…という、現在一般的な仕事のスタイルは、いわゆる「受注仕事」であって、プロデューサと呼ばれている人が「プロデュースした」とは言えない
  • 「企画先に在りき」で、自分の企画に対して予算を出してくれるスポンサーを見つけてくる人をプロデューサと呼ぶのであって、クライアントからの「案件(発注)先に在りき」は、プロデュースとは言わない

と考えます。

この場合、ホントのプロデューサはクライアントで、プロデューサと呼ばれている人は「制作側の責任者とか担当者でしかない」のです。その点では、私がこれまで出会った多くの「自称Webプロデューサ」のほとんどは、「プロデューサとは言えない」ことになります。

 

私のイメージでは、普通の制作会社では、予算とかスケジュールの責任取るのが営業で、実際に手を動かすのが、デザイナーやプログラマで、クリエイティヴの責任取るのがWebディレクターで、何となくその人達とプロジェクト全部を統括している、立場的にはひとつ上に居る(=社内の年齢的にもやはりちょっと上の)人がプロデューサ、みたいな感じが、何か暗黙の了解としてあるような気がします。

これまでも、例えば代理店の依頼などで私がディレクターとして他所のチームに加わる場合は、そこにしっかり「プロデューサ」みたいな人がいるのですが、これが何もしないんだ、見事な位…。

んー、ホントは違うのかなぁ…?たまたま、今まで会った人がそうだっただけなのかなぁ…?出会いに恵まれてないだけなのかなぁ…?

では、Webディレクターはどうでしょう?

呼び方や定義はともかく、いずれにしても今の日本で(…というのは、日本における制作現場の状況というのは、よくも悪くも外国、少なくともアメリカのそれとは違って独特だと思われるので)、WebプロデューサとかWebディレクターって言われている人たちの仕事というのは、「プロジェクト・リーディング」である、と考えます。

「ちょっと、待て!ディレクターとプロデューサがごっちゃになってるぞ!」と思われるかもしれませんが、敢えて「ごっちゃに」してます。何故なら、各スタッフを職種名(しかも英語の名称)で分けてみたところで、実際の仕事はそんなに都合よく縦に割ることができません。明確な定義も無いし、実際の現場の仕事もハッキリとは別れていません。限りなく「プロデューサ的」なディレクターもいれば、その逆にほとんど「ディレクター的な」なプロデューサもいます。個人的には、ディレクター的な仕事をしているのに「プロデューサ」と名乗っている人が多いから混乱してる…、という気がします。

だから、仕事の内容や条件は毎回変わるけど、変わらないのは全部ひっくるめて「そのプロジェクトを責任持ってゴールまで導く」こと。そういう意味では、位置付け(立場)としては「プロジェクト・リーダー」である、…と。これも英語なのであえて日本語で言うとすれば「現場監督」でしょうか。

(→コラム18. ディレクターとは?参照)

 

そう考えると、プロデューサやディレクターに必要なのは、知識とかスキルだけじゃなくて(それも大事だけどそれより)、トラブルが起きないようにする「問題回避能力」と、トラブルが実際に起きた後どうするか?という「問題処理能力」だと考えます。でも、それが無い人、多いですよ~

私も、自分自身がディレクターとして仕事をしている手前、(意図的にダブルキャストにでもしない限り、通常は役割が被っちゃうので)他のディレクターと一緒に仕事する機会はそんなに多くありませんが、少なくとも、今まで会った人たちは、ほぼ全滅でした…。

「○○○○で、半年勉強してから、ディレクターになりました」とか、そんなのばっかり。よく巷のデジタルスクールで「Webディレクター講座」とかやってるけど、学校で教わる(教えてもらう)事じゃないんですよねぇ~…確かに、基本的な知識(業界の常識や技術面の話)は学べるでしょう。それも大事です。知らなきゃダメでしょう。

でも、現場でホントに必要なのは、それ以外のプラスアルファの部分です。だって、プレゼンの期日に間に合わなかったデザイナーが逆ギレしたり、納品直前にプログラマが失踪したり(←よくあります)…した時の対処法とか、そうならないようにする予防法なんて、学校じゃ教えてくれないですもん。

まぁ、要は「バッファを見」とけばいいんでしょうけど、「バッファを見る」ということは、それだけ相手を信用してない、ということです。他人を信用するな!なんて学校じゃ教えないでしょう。これはやはり、過去の経験に基づいて学習機能が働いた結果、できるようになることです。自己防衛本能と言ってもいいかもしれません。どれだけ失敗したか(=被害にあってきたか)が重要です。

なお、学校(デジタルスクール)やスキルを勉強するための講座や講習、それ自体を否定しているわけではありません(かといって、手放しで肯定もしませんが…)。もちろん基本や基礎は大事です。

基本を知った上で、「自分流に崩す」のと、基本を知らずに「最初からすべて我流で行く」のでは、大きな違いがあります。

私も会社勤め時代に、会社の経費で色んな研修に行かせてもらいました。望んで行ったものもあれば、半ば強制的に行かされたものもあります。でも、その時教えてもらった事は、部分的ではありますが、今でも非常に役に立っています。ただ、現場では「それだけじゃ足りないのよ」ということが言いたいのです。

それと、私は今たまたま個人という単位で仕事をしていますが、最初から独りで出来たか?と言われれば、答えは「NO!」でしょう。たとえ知識やアプリケーション・スキルがあったとしても…。私が、今「何とか」独りで仕事出来ているのは、「10年間の会社組織での経験があったから」というのは疑いようもありません。つまり、組織での仕事の仕方を知った上で、「敢えて独りでやる」のと、組織での仕事のやり方を知らずに、「最初から独りぼっちでやる」というのには、やはり大きな違いがあるのです。

 

当り前のことですが、知識+経験(さらにプラスα)、が必要なのです。なのに、最近はどうしても知識とかアプリケーション・スキルばかりが優先して語られる傾向があります。これは、それで儲けようとしている側(=学校とか講習の主催者)にも、学ぶ側(=金と時間を費やせば、それで自分もなれると勝手に思い込んでいる他力本願な人達)にも責任があります。(この話は長くなるので、また別の機会に譲ります)

その点では、新卒のディレクターとか、まったく違う畑から転職してちょっとデジタルスクールで勉強してからすぐに自称ディレクター、自称プロデューサーとして独立した人…などはあまり期待できません。何故なら、「経験が少ないから」です。この場合の「経験が少ない」というのは、「年数(=時間)」という意味ではありません。長きゃいいってもんでもありません。中身の問題です。「量より質」ってことですね。

あと、これはあくまで個人的な意見ですが、これまで一緒に仕事した人で、「こいつは出来るな」と思う人は、みんな、

  • その道一筋の人ではない(=転職したり他の分野での経験がある)
  • 青春時代(学生時代)を、特定の専門分野(デザインやプログラミング等)の勉強に費やしてない

という共通点があります。

言い換えれば、(ちょっと強引かもしれませんが)「なろうと思ってなったわけじゃない人達」なのです。本業以外に、「どれだけ色んな経験(数とか年数の問題ではない)をしているか?」、「どれだけ寄り道しているか?」、が彼等の強みになっているのだと思います。

←前のコラムへ | 次のコラムへ→