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freeform design

05. 制作会社の選び方(ダメな制作会社とは?)

 

※注=2003年の頃の話です…

選び方と言っても、具体的にこの会社にしなさい…なんて事が言えるわけもないので、取り敢えず、数ある候補の中から、ダメなところを篩に掛けて、候補を絞り込みましょう、という話です。

まずは、その会社の(自社)サイトを見ましょう。

サイトを見ただけで分かるのは、例の構成要素の図でいうところの、(6)と(8)だけですが、それでも第一段階の判断材料としては十分です。一般の人やクライアント側から見たらどう見えるのか良く分かりませんが、我々同業者から見ると結構ヒドいのが多い。その制作会社自体のサイトがヒドいのです。そういうところに頼む気にはなれません。

何か、ヘヴィ・スモーカーの人に、「タバコは体に悪いから、止めたほうがいいよ」と言われているみたいで、全然説得力ありません。または、大酒呑みの人に、「酒は体に悪いから、程々にした方がいいよ」と言われているみたいで、全然説得力ありません。または、すごいダサい格好してる人に、「君はセンスないね」ってと言われているみたいで…(←~って、もういいですね)。

ポイントとしては、

1.ユーザビリティの意味を理解していない

「ユーザビリティ、アクセシビリティの悪いサイトはダメです」と言いながら、自分のサイトのユーザビリティが悪い会社はダメです。

  • 分かりにくい(学習しにくい)ナヴィゲーション
  • FlashやPDF fileなど、Plug-inが必要なコンテンツに関する配慮が足りない
  • CrossBrowsing対応されていないDhtmlの使用

…などなど。

他人(ひと)の事言う前に、自分の(サイト)を直しましょう。

2.デザイン的にアウト

Webデザインの会社なのに「デザイン的にダサい」というのも問題外。これは、「凝ってるかどうか?」とか「お洒落かどうか?」とか「デザイン的にイケてるか?」という問題ではなく、「明らかに許容範囲外のものは外す」ということです。そんなのあるかって?ありますよ、いっぱい…。「デザイン会社です」「デザインで食ってます」って言うの、明日から止めたら?っていうサイト。これまた、他人(ひと)の事言う前に、自分の(サイト)を直しましょう。

3.話が難しい

たとえ見た目が小綺麗に作ってあっても、トップページとか会社理念とかコンセプトのページに、サービス内容と直接関係無いと思われる、それっぽい小難しい文章が書いてある様なとこもダメです。やれ不況がどうしたとか、情報化時代がどうとか、だから差別化しなきゃいけない、とか、ブロードバンドだ、ユビキタスだ…って、そんなの、みんな知ってるよ。分かってるよ、言われなくても。知りたいのはそんなことじゃなくて、その会社の提供するサービス内容だったり、何が得意なのか?他の会社と何処が違うか?だったりするハズ。

最も大事な場所にそんな「どーでもいい文章」を載せるような会社に頼めば、きっとそういうサイトが出来ます。あなたがそう感じたように、あなたの会社のサイトも、アクセスしたユーザも「何だこりゃ?何言ってるか分からないぞ…」と感じるサイトになってしまうハズです。これまでの経験から言うと、こういう会社は、「で、御社は何が一番得意なんですか?」と聞くと、質問に直接答えず、「あのー、そもそも私どもの会社ですねぇ…」と聞いても無いのに会社沿革などから語り始めてしまうタイプが多いです。(←だから、そんなこと聞いてないってば!)

4.やたらと飛び道具を使いたがる

とにかく新しい技術や手法を盛り込みたいタイプです。ただでさえ先走っているので、放っておくと確実に暴走します。気がついたら、あなたのサイトが、彼等の新技術の実験場にされていた!…なんてことも有り得ます。我先にとばかり、必然性も無いのにわざわざ最新ヴァージョンでコンテンツを作成し、ユーザにPlug-inの最新ヴァージョンのダウンロードを強要する、といった本末転倒なことを平気でしたり、最新技術の採用のためには、「この際ネスケ・ユーザは無視しましょう」とか「Macユーザは切り捨てましょう」といったことを平然と言ってのける()ので、要注意です。

※2003年の頃の話です…

5.Flashなんか使うな

その逆で、とにかく新しい技術や手法をすべて否定して掛かるケースです。「Flashを使いましょうと薦める制作会社は、あなた達を騙して必要以上に凝ったコンテンツを作って見積もりを吊り上げようとしている。そんな会社に騙されるな!」…などと、ちょっとヒステリックなまでにFlashやDhtml、Java Scriptやそれに類する技術の使用を認めない…という会社もありますが、論点がズレちゃってますね。単なる天邪鬼か、一種の強迫観念のようにも受け取れます。

業者の選び方として「Flashを使いましょうという業者は信用するな!」とまで言う()ところもありますが、そーいう(言い方する)アンタんとこの方が信用できないよー。問題は「Flashの使用自体の是非」ではなく、使用に際しての配慮の有無や程度でしょ?特定の技術の使用不使用を、アンタ達にとやかく言われたかないや!という感じですね。

※2003年の頃の話です…

6.専門用語を使いたがる

マーケティング寄りの立ち位置を主張する会社の中には、「デザイナーはマーケティングのことを分かってないから、彼等(制作会社)にちゃんとした売れるWebサイトは作れない」と言うところもありますが、その根拠が「あいつら、CRMとかバイラルとかデータマイニングとか知らないから…」では、ちょっと説得力ないなぁ…。知ってたからどうだ、ってこともないし。むしろ、そういう専門用語至上主義は端から見ていてカッコ悪いですね。なので、サイト自体が専門用語の羅列やまるで用語集のようになってしまっているところもちょっとヤバいですね。(別にアンタの会社のサイトでわざわざ用語の勉強する気はないって。)

7.異業種混在(欲張り過ぎ)

「Webデザインします」とかホームページ作ります」と言いつつ、同時に健康食品とか全然カンケーない物を売ってるところがあります。別に何を売ろうと勝手ですが、こういうの見ちゃうと、正直「どっちが本業なの?」「こっちは片手間か?」「こっちだけじゃ食っていけないから副業か?」と思ってしまいますね。

「帯に短し、タスキに長し」というか、欲張りすぎで全部中途半端。「手広くやってらっしゃるんですねー」とは誰も思わないでしょう。むしろ逆効果です。ま、それとサービス自体のクオリティは直接カンケーないのかもしれませんが、あまりに違う内容はサイトを分けた方がいいんじゃないかという提案を本来クライアントにするべき立場の人が自分でやってちゃダメじゃん?と言う意味で、ちょっとマイナス。

~といったところでしょうか。

それと、過去の実績とか、作品集(リンク)を掲載しているところもありますが、これはあまり真剣に見る必要はありません。どうせあまり参考にならないので…。違う業種で、違う時期に作ったサイトと比べても意味がありませんし、同業他社、それも競合の例があったとしても、まったく違う条件下で制作されたものと比べても無意味です。その会社は、制作期間も予算もこっちの10倍かもしれません。所詮、よその会社(自分の会社以外)の例でしかありません。

ま、せいぜいその会社のデザインレベルが分かるくらいですが、たまたま見た過去の作品が良い出来だったとしても、今回そこにお願いして、同じクオリティが確実に反映されるとは限りません。同じ制作会社でも、デザイナーが違えば、あがってくるものも違います。当然何処の制作会社も、なるべく見栄えの良いモノを選んで掲載するでしょうし、それらの作品は、(その会社に)10人居るデザイナーの中の、一番優秀な一人の手によるものかもしれません。もしかしたら、(デザイナーは)外注かもしれないし。

基本的には見なくてもいいのですが、逆にサイトの中で必要以上に実績紹介に重点が置かれているところや、また、実際に会ったときに、こちらから聞いても無いのに、過去の実績とか、「○○さんもうちでお手伝いしてるんですよー」とか、他社の事例ばかりを強調する会社には注意しましょう。

あ、もちろん、こちらから「今度お会いするときに事例を紹介してください」って事前に頼んだとか、「ちなみに他社さんではどんなお仕事を?」と聞いたりした場合は別ですよ。でも、そんな野暮な事は聞かないほうがいいでしょう。

 

~このように、その制作会社のサイトを見るだけで、かなりの数は除外され、絞り込めるハズです。少なくとも会う前に「明らかにダメなとこ」は外せますよね。

頑張って、良い会社を選びましょう。ダメな会社とは付き合わないように注意しましょう。もし、それらの判断を下す自身がない場合は、ムリに自分でやろうとしないで、確かな選球眼(=選定眼)を持った第三者=Webコンサルタントに任せましょう。

ともかく、各社のサイトを色々と見ていると、(…あー、こういう人達(会社)が、誤解を生むんだなぁ~…)と、しみじみ思います。