10. 「ホームページ無料診断」というのは如何なものか?
よく「ホームページ無料診断」(もしくはそれに類するモノ)って、ありますよね?自分自身で利用したことはないので、あくまで推測の範囲でしか言えないのですが、個人的には非常に疑問を感じます。
何故なら、
- タダで診てくれる範囲は知れてる
- 出来あがったサイトを見て判断できる事って、たかが知れてる(というかそれ相応の内容でしかない)
- 指摘内容が何処までホントか分からない
と考えるからです。
よっぽどのヒマか、完全なボランティアでもない限り、無料のホームページ診断に100%全身全霊で臨むとは思えません。もちろん全てとは言いません。中には例外もあるでしょう。でも、ほとんどは、基本的に、最初は無料で診断することできっかけをつくり、改善点を指摘し、その後の仕事(受注)につなげようというのが普通です(多分)。
それは別に悪いことじゃないし、むしろ「どんどんやればいい」と思いますが、その後の有料での取引が前提である限り、その前段である無料診断ではどう考えても本気は出さないですよね?(たとえ本気を出したとしても、何処まで気の利いた事が言えるかは怪しいところ)それに、非常に穿った見方をすれば、良心的な会社はともかく、中には仕事欲しさに「あること、ないこと」言ってくる場合も無いとは限りません。だから、何処までホントか分かりません。
また、クライアント側にしても、それを「依頼先の選定の基準にするとか」であれば(なるかどうかは別にして)まだしも、「お金を掛けたくないのでタダで済ます」という発想であれば、その結果にもあまり期待しない方がいいし、制作会社側にとってもあんまり良い客筋ではないし、いずれにしても、お互いにとってあまり良い出会いにはならないでしょう。
~というわけで、個人的にはあまり意味が無いと考えます。ちなみに私はサイトの無料診断はしません。私がやらない理由の1つは、「出来あがったサイト(の上辺)だけ見て判断できることは限られているから」です。既にでき上がってるサイトに対して言えることといえば、「デザインレイアウトがどう」とか、「ユーザビリティがどう」とか、表層的な部分だけです。ホントの問題はそれ以外のところにある場合が多い、というのは特集で書いた通り。
もう1つはやはり「タダじゃ真剣になれないから」です。
(それより何より、そもそもフリーの人間にはタダで何かする余裕などありません。他の人のことは知りませんが…)
自分自身がタダでは全くモチベーションが上がらないので、他人に対しても「タダの行為」に対しては全く期待しません。
誤解の無いように補足しておきますと、「何でもかんでも金を取れ」「費用が発生しない行為は一切行うな」などと言ってるわけではありません。私も仕事のお声が掛かれば、まず最初にクライアントと実際に会って話をすることになりますが、そこで話が流れてしまうことも少なくありません。
会って話して、お互いの確認が取れた上で初めて契約をします。そして実際に契約を結ぶまでは、無料です。会って話した結果、「今回は必要無いかも」(=仕事にならない)ということも分かるわけで、その点では、契約前の打ち合わせは、すべて「無料相談」なり「無料診断」になるわけです。 (契約前の)初回の打ち合わせから、すべて有料の方もいらっしゃいますしそれはそれで良いと思います。(私はそこまで徹底できませんけど…)
つまり、ここで言いたいのは、「お互い会って話もしないで、URLだけ伝えて、WEBサイト(ホームページ)を見て「あーだ、こーだ。」と言うことに意味があるのか?」「既にでき上がってしまっているWEBサイトという判断材料のみを通して指摘できる内容なんて、たかが知れてるし、あんまり意味が無いでしょ?」ということです。
ここで言う「サイトの無料診断をしない」というのは、「見ず知らずの人(=会社)のサイトを見てその感想文を書くようなこと」はしないという意味であり、全ての無料の打ち合わせやサイトの評価を否定するという意味ではありません、念のため…。
(→コラム02. 「コンサルティングは無料」というのは如何がなものか?参照)