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11. エモーショナル(Web)マーケティングは万能か?

 

最近、エモーショナル・マーケティング(顧客感情ベース・マーケティング)や、それに基づいたWebマーケティングの手法(以下、勝手にエモーショナルWebマーケティング、と呼びます)が流行っているようで、書店に行くと、その系列の本が溢れています。その内容は、非常に興味深いもので、「なるほど」と納得させられる部分も多いのですが、これは果たして万能なのでしょうか?どんな状況にも対応できるのでしょうか?

 

特集1「Webサイトがうまく行かないホントの理由」で「大きな組織特有の問題」を指摘しましたが、この(エモーショナルWebマーケティングの)考え方を、そのまま大きな組織(のWebサイトとの取り組み)に対して実践しようとすると、実際はなかなか難しかったりします。

エモーショナルWebマーケティング系の本では、よく

  • 「トップページから商品写真を外せ」
  • 「なるべく写真は入れるな!テキストだけで構成しろ」
  • 「洒落たデザインなんか要らない、ダサくてもいいから読ませるサイトにしろ」
  • 「技術(Flashとか)も要らない、シンプルに徹しろ!」
  • 「商品をなるべく絞り込め」

~などと書いてありますが、小さな組織で、単一商品を物販する場合ならともかく、大きな組織の場合、そうも行かないでしょう。

  • 「アクセス数なんか気にするな」
  • 「定期的な更新なんか必要ない、放ったらかせ」
  • 「なるべく手間を掛けるな、寝てて儲けろ」

んー…、それもムリです…(^-^;

  • 「なるべくお金を掛けるな」
  • 「業者なんかに高い金払って頼むな」
  • 「自分でできることは自分でやれ」

と書いてあることもありますが、これも、良くも悪くも「手作り感」みたいなものが許される範囲と言う意味では、小さい組織においては有効でも、大きな組織においては、非現実的です。クオリティの面から言っても、よほどの事でもない限り、クライアントが自分で作るのは止めた方がいいです。

(→コラム「04. 社員が自分で自社サイトを作るのはダメか?」参照)

 

というわけで、中小の組織においては効果がある手法も、大きな組織には「必ずしもそのまま当てはまるとは言えない」と考えます。

もちろん全ての本に同じことが書いてあるわけではありません。ここで取り上げたのはその一部にしか過ぎません。しかも方法論(戦術)の話なので、エモーショナルWebマーケティングに基づく戦略そのものが大きな組織に通用しないという意味ではありません。念のため…