13. ホントにあったトホホな話~その5、去勢された人々-2(No Pride)
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Part-2. No Pride
で、結局、当然と言えば当然だが、現行サイトのデザインをしているC社のB案をベースに進めることにした。ただし、かなり多くの条件をつけた上で…。
散々文句つけてボロくそに言ったのだが、その修正案が出てきてビックリ!(←またかよー)こっちが言ったことを全てそのまま直している。(←分かりやす~い)
- あの写真とこの写真は何か意味あるのか?意味が無い写真は入れなくていいんじゃないか?と言ったら、該当箇所の写真はすべて削除された。差し替えとか代案じゃなくて、いきなり削除だ。
- 青がちょっと濃いんじゃないか?もう少し薄い方がいいんじゃないか?と言ったら、「ちょっと薄い青」になって帰ってきた。
- MENUのボックス自体が、ちょっと右にズレている(他のページでは、MENUのボックスはロゴマークと左揃えになっている)のには何が意味があるのか?意図的か?と聞いたら、何事も無かった様に、左に揃ってる。
- 写真が8角形になっている(切り抜かれている)が、意味はあるのか?事業が8つに分かれているからか?トップページや第二階層の角丸を使った柔らかいイメージに比べて、非常にカタイ感じがする(おまけに見た目も悪い)がどうか?と聞いたら、丸くなって戻ってきた。
「あんなにボロくそ言って、C社さん、何か言ってませんでしたか?」「ムっとしてませんでしたか?」と広報担当に聞いたら、「いや、別に」「特に何にも言ってませんでしたよ」という返事。ま、口に出さないだけで、実際は、ハラワタ煮えくりかえっていたのかもしれない。そこまでは分からない。でも、出てきた再案を見る限りでは、ホントに何とも思ってないとしか受け取れない。そこには、何の反論も提案も無い。でも…
少しは口応えしろよー!おっしゃる通りです、で終わりかよー?プライド無いのかよー?良いものを作るために建設的な議論を戦わせようよー!
それともう1つ、現行のサイトでは、全部で8つあるカテゴリーを色で分ける(という結構安易な)デザインレイアウトを採用しているのだが、それに対して今回A社が出してきたカラーリングが結構「えっ???」だったので、
- ちゃんと事前に全8カテゴリーの配色とか決めてるんだろうなぁ?
- まさかその都度適当に色決めてるわけじゃないだろうなぁ?
- 他にも、まだリニューアルが済んでいなくて、これからリニューアルしなくてはならないカテゴリーが6つもあるけど、全体のカラー計画は当然今の時点で出来てるんだろうなぁ?
- まさか作ってないって事はないよなぁ?
と聞いたら、「決めていませんでした」の一言で終わり。ウソでもいいから、「いや、ありますよ、当然。お見せしてなかっただけで…」「お見せしましょうか?」位のこと、言おうよー。ねぇ、プロデューサくん。
作ってなかったことは今さら言ってもしょーがない。でも今からでも、やろうと思えばすぐ出来るじゃん。一晩あれば出来るじゃん。デザイナーに頼んでやってもらえばいいじゃん。(あ…、クライアントに嘘ついて、一夜漬けで配色案を考えて提出したり、如何にも以前からあったように振舞ったりすることは、決して良いこととは言えませんよ。あくまで、たとえば、の話です。でも、制作側としては、その位の事しようよ、その位の心意気は持とうよ、という意味です。)
「考えてませんでした」と素直に(そのまんま)言いきっちゃうA社もA社だけど、それを聞いても怒らず、「あ、そうですか」と受け入れ、それをまたそのまま我々に「考えてなかったそうです」「だから配色表なんてありません」と伝える担当者もなぁ~…「考えてなかった」というのを聞いた時点で「何だよそれ、ちゃんと考えとけよ」って怒れよー!「じゃあ、今すぐ作れよ」って言えよー!みんなもっと怒れよー!
で、今は無いけど、これじゃあまた次のカテゴリーの色を決めるときにモメるのは目に見えているから、今この時点で、各カテゴリーの配色も決めてしまおう、ということになった(ま、当然ですな)
ここまではいい。
「じゃあ、早速A社に作ってもらいましょう」ということになったのだが、結局、その配色表をクライアントの社内のデザイナーが決めることになった。
A社のやり方に懸念を抱いたデザインチームが、彼等に頼まずに、「自分たちでやる」と申し出たからだ。ま、それもいいとしましょう。社内とはいえ、デザイナーがやるんだから。
でも、何でA社はその決定を素直に受け入れちゃうの?考え様によっては、それってスゴイ屈辱じゃない?だって、リニューアル後の現行サイトのデザイン、ここまで全部やってきてるんだよ?「ここから先の色は我々(クライアントの社内のデザイナー)が決めます」って言われて何でOKできるの?何で黙ってられるの?
怒れよー!文句言えよー!そんな事言わずに、うちにやらせて下さい、って言えよー!(今さら遅いか?)
クライアントが「どうしてもうちの社内でやる」って言うなら、「じゃあ、うちでも作ってみますんで、比べてもらってダメなら却下して下さい。でも、もしうちの方が良ければうちのを使ってください」位のこと、言えないのかね?(やっぱり今さら遅いか?)言わないか?言うならもっと早く言ってるか?ここまで言わなかったってことはこれからも言わないか?
それにしても、欲が無いのぉー…。やる気無いのぉー…。プライドは無いのかねぇー?
そもそも、A社はこんな済し崩し的に数社が参加するプレゼンなんか許すなよ!そうならないように、ちゃんとイニシアティヴを取っとけよ!こんないい加減なプレゼンの結果、クライアントの気まぐれで他社の案に決まっちゃって、それで切られたらどうすんのよ?
と、ここまで書いてきて気が付いた。ここまで書いたことは、クライアントの担当者が我々の言い分をホントに全部A社に伝えてくれて、その上でのA社のリアクションということを前提にしている。
でも、もし、A社に我々の言葉(意見や提案や批判)がちゃんと伝わってなかったら…??伝えたとしても、論点がズレていたり、主旨がキチンと伝わっていなかったら…??もし、またシステムの担当が話を止めていたら…??
うーん…、それは……
ま、いずれにしても、オリエンの仕方が、まず間違っている。各社への提供情報や条件がバラバラだから、各社からあがってくる案がバラバラ。こちらの意向をしっかり伝えてないから、ホントに欲しいものが出てこない。それ以前に、何も考えてないので、ズレたものが出てきても、別にハラも立たない。 腹が減ったら、お腹が空いたというだけじゃなく、せめて何が食べたいか位は自分で考えて伝えろ!
プレゼンの仕方も間違っている。「プレゼンする人、この指止~まれ!」じゃないんだから、大勢に声掛けてどうする?「やる、やるー」って群がってどうする?こんな意味の無いオリエン&プレゼンは、お互い時間の無駄。
そりゃ、制作会社側は仕事欲しいから「自主プレでも何でもやらせてくれ」って言うかもしれない。でも、クライアントも、いくら「やらせてくれ!」って言われても、必要なければ断れよ!「来る者は拒まず」で、皆受け入れてどーすんの?
制作会社も、いくら仕事が欲しいっていっても、こんな仕事の仕方(プレゼンの仕方)はやめようよ。
(次のページ「Part-3、ダメなオリエン&プレゼン、イラスト編」へ続く→)