Webサイトの各構成要素の問題点
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さて、それでは、各要素におけるそれぞれの問題点とは何でしょう?
図7を見ながら説明しましょう。

まず、(3)=企業の商品力は、直接Webサイトの制作にはカンケーないので置いておきます。
(1)と(4)は、企業の姿勢や取り組みにおける問題と言いながら、実際は担当者の問題とイコールと言えるかもしれません。ホントは必ずしもイコールではありませんが、彼等を通して仕事をする以上、彼等の良し悪しに大きく左右されます。
(1)の問題とは、要するにお客さんの困ったちゃんですネ。
たとえば、- 自分たちが正しいと信じ、誰の言うことも聞かない、聞く耳を持たない、現状を否定しない、非を認めないケース。保守反動、現状固持タイプ。
- その逆に、何でもハイハイ認めちゃうケース。この場合、自分たちの信じるモノが何も無く、何をやっても自信が無い。こちらが何を言っても「そうなんですよ」「おっしゃる通りです」とすべて受け入れ、批判されればされるほど、否定されればされるほど喜ぶマゾタイプ。
- インターネットやWebサイトを何でもできる魔法の箱(仕組み)だと思い込んでいるネット過信主義、IT、ハイテク信奉者。現状を理解していない(=知らないで言ってる)人に特に多くて、大騒ぎしてる割には、自分で何もしません。
- 自分たちでモノを考えない、他力本願な人たち。一番大事な部分を、自分達で考えずに、他人(ここでは代理店や制作会社などの発注先)任せにしている。これはある種の責任逃れです。
~などなど。
(4)の問題とは、クライアントの言いなり、ご機嫌取り、ナメられているのに、気付かない、逆に、客をナメている、使い勝手の良い外注さんに甘んじている、…といった制作側の意識の問題。
(5)の問題とは、頼まれてもいないの勝手に自主プレしたりする、下請け(外部の制作会社)の担当者からクライアントに直接連絡を取らせたりする、テストをしないで納品する(デザイナーがMacで作ったまんまで、異なるOS、異なるブラウザ、異なるヴァージョンでのチェック等をしない)、プレゼンで、意味の無い捨て案をわざわざつけてまで、2案出し3案出しをして、それをサービスだと思ってる…といった制作側のトホホな動きの問題。
(6)の問題とは、要はスキルがない、デザインレベルが低いといったことです。
何も考えられてないインターフェイスデザイン、ダサいグラフィック、ユーザビリティ無視の設計、やたらと読み込みが重い、ヒドい配色、貧困なコンテンツ~…、などなど。
れは、ある意味、どうしようもないです。
何をもって「スキルの有る無し」「レベルの高低」の判断基準とするか?は人それぞれだし、非常に曖昧です。
それに、本当にスキルの無いところは、仕事を替えるしかないでしょう。
でもこれは客観的に判断しやすい要素なので、まだ分かりやすい。
クライアントは「ここはダメだ」と思えば、そことは付き合わなければいい。
(7)の問題とは、一緒に仕事を進める上での問題です。
打ち合わせや会議の進め方、進行管理など。予定どおりに原稿があがってこない。約束した期日に、ラフや見本があがってこない…等。
さて、各要素における問題点が、全部一度に同じタイミングで表面化してくるか?というと、そうでもありません。
時系列でみた場合、早いうちに分かる(表に出てくる)問題と、遅くなってから、後から分かる(表に出てくる)問題があります。
(1)(4)(6)に問題がある場合、そもそもプロジェクト自体が成立しないかもしれません。
クライアントと制作会社の担当同士が最初に会ったときに、決裂したり、2回3回と打ち合わせを重ねて行く上でプロジェクトが始まる前に「こりゃダメだ」と気づく、ということも考えられるからです。
「あんな会社には発注できん」「あんな客とは付き会えん」、と。
もしくはプロジェクトが始まった後でも、比較的早い段階で問題が明らかになるでしょう。
それに対して、(2)(5)(7)の場合は、プロジェクトが進むにつれ、比較的後から、問題が出てくるのでやっかいです。
ま、ワークフローというのは「仕事の進め方」だから、「ワークフローの問題」というのは実際に仕事してみなきゃ(仕事が始まってみなきゃ)分からないのは当然ですが…
たとえば、担当者が状況を把握してないケース。こちらの言うことに理解を示し「私は何でも分かってます。でもうちの会社の他の連中は分かっていません」と社内批判をしたり、自分だけは理解者であり、現状を把握しているんだと主張します。
ホントにその通りならいいのですが、「話の分かる担当者だな」と思ってその担当と仕事を進めていくと、実は思いっきり社内やスタッフの間で孤立してたり、凄い勘違いしてる人(=思いこみが激しく、状況が正しく把握できてない)だったり…、挙句の果てに、社内の他のメンバーから「あの人が一番分かってない」と言われたりする。
これは実際に、一緒に仕事をやり始めてからでないと、分かりません。
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