おわりに
(前のページ「何故誰も指摘しない?」の続き→)
-Because these Minority Reports are destroyed the instant they occur.
-Why?
-For Precrime to function, they can't be any suggestion of fallibility.
「少数派の報告は(即座に)破棄される。」
「なぜ?」
「システムが完璧でないという疑いを消すために」
~映画「Minority Report」より
今回の結論としては、(2)=クライアントの社内のワークフロー(と、ついでに、それを見過ごしている、見ながらも何もしない(4)=制作会社の姿勢)に問題がある!という話でしたが、ぶっちゃけ、これまでは、クライアントの社内の事、仕事のやり方に(まで)文句をつける野暮な人は、これまであんまりいなかった。いわば、暗黙の「不可侵領域」だったわけです。
ところが、最近、この役割(=文句言う人)が求められています。私が独り空しく叫んでいるわけではなく、冒頭で書いたように、クラアントがそれを望み、彼らの方からそういうオーダーが来始めています。
何故でしょうか?
1つには、そもそも、インターネットやWebもしくはそれを取り巻く広い意味での情報デザインが、従来の枠組みでは捉えられない為、クライアントも制作側も、「何が標準か?」「何が基準か?」よく分かりません。あまりの進歩の速さに、せっかく覚えた知識や最新技術は、明日にはもう古くなってしまっているかもしれません。常に試行錯誤の連続です。加えて、今回指摘したような目には見えない社内のワークフローの問題が、プロジェクトの進行を直接的または間接的に妨げます。
そういう状況下においては、クライアントの担当者が、「何がアウトで、何がセーフか、分からない」、「自分たちが良かれと思ってやってることは、果たして客観的に見て正しいのか?」、「自分では良いと思ってやっているが、もしかしたら、すごく(基準から)ズレていて、恥ずかしいことになっていないか?」と思う(=不安になる)のは当然ことです。
そして、「それを誰かに見極めて欲しい」、「客観的に判断してもらう必要がある」と感じ始めました。(といっても、まだまだごく一部です。ほとんどの人たちは気付いてもいません。依然として、悪いのは「自分以外の誰か」だと思っています。)
「私への仕事の依頼内容が変わってきた」というのは、そういう背景があったからなのです。今回の話は、私の妄想や作り話ではありません。世の中が必要とし始めているのです。何がホントで、何が大事なのか、を…。
まとめ
話が長いので、もう一度まとめます。
- Webサイトの制作や運用がうまく行かない理由は色々あるけど、ホントの理由は、(2)クライアントの社内のワークフローの問題である。
- これは普段あまり言われていないし、指摘されていない
- 何故か?
- クライアント自身が気付かない
- 外から見えにくい(制作会社側も気付きにくい)
- 比較的後になってから、プロジェクトが始まってから、じゃないと見つからない
- 指摘しにくい、指摘できない
- それを見つけて正せばいいのだが、これまでは出来なかった
- 何故か?
- じゃあ、どうすれば直るか?
- そこで客観的な第三者の存在が必要になる
→それは、1つには目立たない(見つかりにくい)から
→もう1つには、たとえ見つかっても、
→それは、従来の制作スタイルによる構造的欠陥だからだ。
→従来のやり方ではダメだ
→スタイルを変えなくてはならない
→制作を前提とした考え方から脱却する必要がある
(特集2「Webコンサルティング」に続く→)