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世間一般に言われているWebコンサルタントとは?

 

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私の考える「Webコンサルタント」というのが、「どういうものであるか」は、ここまでご説明した通りですが、どうやらこれは、普段皆さんが使っているのを見聞きする限り、その意味するところが大きく違う様です。

では、世間一般に言われているWebコンサルタント、Webコンサルティングって何なのでしょう?

明確な定義というものは聞いたことがありませんし、あるかどうかも知りませんが、(少なくとも私から見れば)違った意味で使われているケースが多いような気がします。「肩書きや呼び方はどーでもいい」と言ってる割には、わざわざ解説するなんて矛盾してると思われるかもしれませんが、一緒にされるとイヤなので(←失礼!)、一応私の考えを述べておきます。

例えば、検索エンジンのGoogleで「Webコンサルティング」や「Webコンサルタント」というキーワードで検索して、検索結果の上位表示の会社からテキトーに見ていくと、「Webコンサルティング」とうたっておきながら、

  • Flash Movie制作、承ります
  • アクセス数のアップ

とか

  • 検索エンジン登録代行
  • ホームページ制作、1ページ@3,000-

などと書いてある会社がたくさんあります。

↑これの何処がコンサルティングなの!?これは、提供しているサービス内容のメニューじゃないの?

事前に提供できるメニューが決まっているのは、「コンサルティング」じゃないでしょ?これがうちの商品(サービス)なんでこの中からお困りのテーマを選んでください、というのは「コンサルティング」じゃないでしょ?クライアントにとって本当の意味で「何が必要」で「何が不(必)要」かを一緒に見つけるのが「コンサルティング」でしょ?だから、出会った時には何が必要かなんてまだわからないハズ。メニュー出されても選べるわけがない。それに「メニューから選べる範囲」は知れてます。

 

たとえば、お腹が空いて、取り敢えず近くの中華料理屋に入りました。当然出てくるメニューは中華料理です。そりゃ、色々あるよ。ラーメンも、チャーハンも、焼きそばも、餃子も、春巻きも、青椒肉絲も、エビチリも…。でも、基本的に全部「中華料理」の範疇です。

この先の展開のパターンとしては、

(1)その中から、自分の食べたいものを選んで、注文した。出てきた料理も思っていた通りで、満足した。

(2)一応これが食べたいと思って注文したら、出てきた料理が想像してた味や内容と違ってた。 (アメリカのチャイニーズレストランでラーメンとか餃子とか頼むと、大概そのパターン)

(3)一通りメニューを見て、そこに自分の食べたいものが無かった。どっちかって言うとパスタ(とかイタリアン)が食べたいとか、味噌汁飲みたい、とんかつ定食や焼き魚定食(とか和食)が食べたい、とかいうことに、その時初めて気付く。

(4)一通りメニューを見て、そこに自分の食べたいものが無かった。そして、何が食べたいか自分でもわからなくて、困る。

メニューで選んで出てくる食べ物はその店がいつも出しているものであって、普通はその時々のお客さんによって作り方や味付けを変えたりしません。客には合わせません。だから、(1)はたまたまラッキーだったけれども、(2)であれば客は「この店の○○は美味しくない」と言って、次回から他の店へ行ってしまいます。(3)なら、注文もせずに他の店に行くしかありません。(4)は…、困りましたね。散々悩んだ挙句、食べたくも無いものを仕方なく頼んでやっぱり後悔するか、「注文しないなら帰ってくれ」ってお店から追い出されるか…、そんなところでしょう。

 

ザッと見た限りでは、どうやら「制作に先だって、事前に色々と相談に乗ること」を「コンサルティング」という意味で、使っているようですね。(ま、別にどう使おうと勝手ですけど)。それは単なる「事前打ち合わせ」だと思うのですが…

「今時、ホームページは誰でも作ろうと思えば簡単に作れちゃうけど、ちゃんとやろうとしたら、それなりに色々と大変だから、それはやっぱり、餅は餅屋で、その道のプロ(つまり我々)に任せましょう。分かんないことは色々と相談に乗りますよ!」っていうノリですね。「アクセス数のアップ」等を「Webコンサルティング」のメインのサービスとして掲げている会社もたくさんありますが、それは「アクセスアップをお手伝いするサービス」であって「コンサルティング」じゃないでしょ?

「アクセス数を増やすこと」自体は別に悪いことじゃありません。でも、これを「最優先課題」に掲げているのは、ちょっと違うんじゃないかなぁ…。それ(=アクセス数のアップ)はあくまで「手段」であって、「目標」ではないでしょう。ひとつの通過点に過ぎないハズ。これが最終目標だったら、困ってしまいます。

アクセス数をアップする手法の1つとして最近流行りのSEO(Search Engine Organized)がありますが、「SEO自体(=クライアントが知らない検索結果上位表示のための秘訣を教えることそのもの)が「Webコンサルティングとイコールだ!」と言わんばかりのところもあります。SEOは1つのテクニックに過ぎません。しかも既に出来あがっているサイトをより多く露出させるためのテクニックです。つまり、サイトの内容はちゃんとしている、という前提に立っています。

でも、逆に言えば、サイト自体がダメなら、どんなに検索エンジン最適化をしても無駄だと言えます。SEOの結果、検索結果表示が上位になった→アクセス数が上がった→サイトにドッと人が来た→そして来た人みんなが訪れたサイトに失望し、二度と来なくなった、…これでは元も子もありません。例え、アクセス数が1万から10万に増えても、もしサイトの出来が悪かったら10万人集めて、10万人去っていくだけ。大事なのは、何人アクセスしたという分母ではなく、その中の何人が登録したか?、何人が購入したか?(←コンヴァージョン・レートとも言いますね)という分子の数ではないでしょうか。

 

えーっと…、要するに・・・、

「WebコンサルティングとかWebコンサルタントという言葉も、結構いい加減な使われ方をしている」

「しかも我々『サービスを提供する側』が誤った使い方をしているのではないか?」

ということです。

別に、ムリして「コンサルティングします」とか言わなきゃいいのに…。何でみんなコンサルティング、コンサルティングって言うんでしょう?流行りなのかな…?(あ、そーいう私も言ってますね?)

「うちは純粋な制作会社です」とか「うちはSEO専門です」(サイトの中身までは知りません)って開き直っちゃいけないのでしょうか?その方がかえって潔いのになぁ~…。「手広く総合的にやってます」というスタンスの方が望ましいのでしょうか?個人的には専門的なスタンス(=アレは出来ません。これも出来ません、でも、○○だけは何処にも負けません)の方がいいと思います。

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